日本で、新たにAI（人工知能）を活用したクマ接近検知サービスが開始されました。このサービスは、防犯カメラと連動し、住宅や人が多く暮らす地域にクマが近づくとスマートフォンへリアルタイム通知を送る仕組みです。近年、人とクマの衝突が増加していることを背景に、早期発見と警戒の強化を目的としています。
このシステムは、カメラが捉えた映像をAIが分析し、クマであると判断した場合にのみ通知を発信します。約5万枚分のクマ画像で学習したAIは高精度でクマを識別でき、誤報を減らしつつ迅速な対応を可能にします。さらに、一部のカメラにはクマを遠ざけるための強力なライトが搭載されており、検知時に自動で点灯する機能も備えています。
このサービスは住友グループの関連企業が提供し、価格はカメラ本体が約7万円から9万円、AI解析と通知サービスは月額約2,000円から3,000円の利用料がかかります。すでに埼玉県の動物園で試験導入され、正確な検知能力が確認されました。
環境省の発表では、今年は記録的なクマの目撃数と人身被害が報告されており、地域社会の安全対策としてこうした先端技術の導入が急務となっています。専門家は、クマによる被害を減らすためには、AI技術と地域の連携が不可欠だと指摘しています。
今回のAIサービスは、日本の野生動物対策に新たな一歩を示すもので、人とクマが共存できる社会の実現へ向けた期待が寄せられています。
